いじめ対策ガイド

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職場でのいじめ

 いじめは何も、子供の間でだけ起こり得る問題ではありません。子供同士のいじめだけではなく、分別があるはずの大人同士であってもいじめは起こります。職場での人間関係のトラブルは、金銭上のトラブルや恋愛がらみのいざこざを除けば、そのほとんどが「いじめ」に近いものなのではないでしょうか。一般的に認知されているセクハラやパワーハラスメント(パワハラ)も、形を変えたいじめといえます。

 なぜこうしたトラブルが起こるのかといえば、職場環境がいじめの起こりやすい風潮であるというのが大きな原因です。見てみぬふりをする風潮は、子供同士より多いかもしれません。上下関係があれば、自分の上司がいじめを行なっていることもあります。女性同士の場合は発言力のある女性に逆らいがたいことや、自分がにらまれるのを避けるために、いじめる側に加担してしまうことすらあります。やはり仕事が絡む以上、強く文句を言うこともできずに我慢を強いられている人も多いはずです。

 職場でのいじめの例をみていきましょう。圧倒的に多いのは、女性同士のいざこざです。例えば正社員と派遣社員が同じ職場で同じ仕事をしているような場合、派遣社員も正社員も対等な立場であるにもかかわらず、正社員が派遣社員をいじめるというケースもあります。差別されたり、冷遇されたりするのが当たり前という雰囲気は仕事場の雰囲気も悪くしてしまいますが、いじめる側にとっては自分が上の立場という誤解があります。もちろん正社員や派遣社員、アルバイトなど、勤務形態の違いによってだけではなく、仕事内容や部署の違いなど、些細な差で女性同士の場合は上下関係が生まれるようです。これは年齢が上の人が、年下をいじめるとは限らず、中心年齢層から外れた年代の人がターゲットとなることもあります。

 また、男性の場合はパワーハラスメントが多いようです。例えば、上司から仕事上で責任を擦り付けられたとしたら、それも立派なパワハラです。そして、ストレス解消のはけ口にされているとしか思えないような恫喝などはやはり男性上司が行なうことが多く、対象も男性であることが多くなっています。

 こうしたいじめ以外にも、自主退職を狙ったいじめも発生します。リストラするより、自主退社のほうが会社の負担にはならないからというのが理由です。仕事をまったく与えられずに、ひどい場合には机を撤去されたり、集団でやめて欲しい人につらく当たったりすることもあります。

 ただ、子供とは違い、いじめられる側も大人ですから、悪質な場合は自ら法的手段をとることができます。泣き寝入りして退職願を出してしまえば、いじめのターゲットが変わるだけでその職場のいじめはなくなることはないでしょう。

 職場のいじめに対処するために必要なのは、冷静さです。陰口を言われて同じように悪口を言って回ったりすれば単なる大人同士のけんかだと思われてしまいます。できるだけ客観的に、冷静に対処するよう心がける必要が出てきます。といってもいじめを我慢するという意味ではありません。上司に相談するにしても、感情的になってしまうほうが、話しが伝わりにくくなります。


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