いじめへの対策
子供たちのいじめが、社会現象として認識され、同時に問題視されるようになってずいぶん経ちますが、一向に「いじめ」はなくなりません。いじめという行為が、人間が本来持っている欲を理由にして発している以上、根本的に、いじめを無くすことはできません。ではさえめて、いじめを減らすことはできないものなのでしょうか。
といっても、実際にいじめに合っている人や、家族や友人がいじめにあっている人は、いじめのない社会を作ることよりもまずは、今自分にかかわりのある「いじめ」に対してどう対処していくべきかが大きな関心ごとになるでしょう。
人に個性がある以上、どうしてもいじめられやすい人というのは存在します。例えばいじめていた人間と、転校や退学、退職などの物理的な別れを作り出せば、現在のいじめそのものからは逃れることはできます。いじめが原因で、精神的に不安定になってしまい社会生活に影響が出てしまったり、自殺をしてしまったりするようなことがあるのなら、いじめの被害者と加害者は、距離をとることはもちろん間違ったことではありません。ですが、いじめられない環境を新たに作ることができても、いじめていた人が反省したりすることはありません。どんなに言い訳をしても自分のストレス解消や思考的にゆがんでいる人は、次のターゲットを捜すことになるはずです。いじめられている人から見れば、自分がいじめられないようになりたいというのはもちろん最重要視すべき問題です。ですが、そのいじめに対処する人たちは、そのいじめを解決し、新たないじめを生み出さないよう、真剣に考えなければいけません。