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いじめの原因

 いじめられる側から見れば、どんなに理不尽、有って無いような理由であっても、やはりいじめには「原因」があります。原因というより、「きっかけ」に過ぎない場合ももちろん多いことでしょう。集団生活を送っている以上、どんな原因、きっかけで、いじめられたり、逆にいじめたりするようになるかは分かりません。ですが、あえていうなら「いじめられやすい人」というのはやはり存在します。

 例えばいじめの中でも暴力を振るうといういじめが存在します。これは考えてみるまでもありませんが、自分より力の強い人や体格のいい人を、個人が暴力でいじめようとは考えません。自分より力の強いもの、立場が上の人を、いじめようとは思いません。いじめる側はほとんどの場合、きちんと自己保身を考えています。ですから自分と対等の立場、もしくは自分より下の立場だと思える人に対して行われるのがいじめなのです。人はだれでも長所と欠点を持っています。欠点のない人は存在しません。いじめる側のいう、いじめられる側の欠点は、自分達がいじめを行なうことを正当化させるための、とても都合の良い言い訳になります。

 例えば、無視、いわゆるシカトといういじめがありますが、そのキッカケというのは例えば、いじめられていた子供が「友達の悪口を言った」というような事件であるかもしれません。だとすれば確かに友達の悪口を言った子供は、悪口を言われた子供に対して非があり、謝るべきことでしょう。ですが、いじめる集団は、自分が悪口を言われたわけでもないのにまるで自分達が断罪する立場であるかのように、錯覚してしまっているからです。つまり、嫌なことを一つされれば、それ以上の嫌な事をしてもいい、そうした「動機」を持っているとこれはやっかいです。これも自分を正当化する、言い訳になってしまう事があり、いじめる側は自分が悪い事をしている自覚が薄れてしまいます。  また、一度いじめられたことのある人が、いじめに加担するようになるというのも珍しくはありません。何らかのきっかけでいじめをする側と、いじめられる側の立場が逆転してしまえば、いじめる側には、仕返しという大きな動機ができるのです。

 いじめられる側に、いじめられても仕方のない理由があるというのは間違いですが、いじめがはじまるきっかけや原因は、よく探してみれば絶対に存在するのです。


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